1年目10月のおでかけポイント No.07 江古田の森公園

10/25/2016

1年目9月のおでかけポイント

No.06 練馬光が丘公園

環境:森林



10月に入って都会の緑にも秋の気配がしはじめ、夏に日本で過ごした鳥たちが南へ移動を開始しているという情報を野鳥観察仲間から聞き、私も街中の緑の中でその姿を求めてでかけることにしました。小さめの公園のほうが鳥を見つけやすいのではと予測を立て、中野区にある江古田の森公園を今回の目的地としました。雑木林をメインの環境ですが、公園中央に池もあるようです。小さくても水環境があれば、ひょっとしたらカルガモに会えると思い、まずはこの池を目指しました。






池はさほど大きくなく、カルガモが飛来するにはちょっと小さいように感じました。しかし、周辺を見渡すとまず白くて大きな鳥が見つかりました。頸と脚が細長いのでサギの仲間であることがわかります。嘴が黄色くて脚の指が黒いので、おそらくダイサギです。




しばらく観察していると、ゆっくりと水辺に歩いていきます。水の中をのぞきこんでいますが、こんな小さな池にダイサギのお腹を満たすような生きものがいるようには見えませんでした。




しかし、ダイサギはずっと水の中を歩いているので、きっと何かいるはずと思い、池につながる水辺を調べてみることにしました。すると、アメリアザリガニが見つかりました。子供の頃、私に野鳥観察の楽しさを教えてくださった先生が、「鳥はほかの生き物たちと深いつながりをもって生きているので、周りの周辺に“いる理由”を探すと、より鳥の生態が理解できる」とおっしゃっていましたが、それを改めて実感しました。



ダイサギのいた理由がわかって、なんとなく鼻歌まじりで池のそばにいると、ふとそばの木に見慣れたシルエットの鳥が止まりました。キジバトです。しかし、キジバトの特徴の一つである頸の青い縞模様がありません。日本の野鳥図鑑にはあまり載っていないことが多いのですが、若いキジバトには頸の青い縞模様がないのです。
池に水を飲みにきたようですが、どうも私がいたのが気になったようで、しばらくして飛び去ってしまいました。




池の上は周辺の木々の枝の張り出しがなく、鳥の動きがよくわかりました。とりわけ大きなプラタナスの木の高いところでは、ヒヨドリが飛び回っていました。この時期は葉の陰にいて観察しにくいのですが、比較的体の大きいヒヨドリは観やすいところに止まることが多いので、観察しやすい鳥です。



そんなプラタナスの木を移動するヒヨドリを観察していると、小鳥も飛び回っていることに気がつきました。葉陰に隠れることが多いばかりか、動きが速くてなかなか姿を捉えられなかったのですが、葉の少ない場所に止まるタイミングにその姿を捉えました。




スズメよりも一回り小さくて、お腹の方がやや白っぽく、翼の上面が濃緑褐色の様子をしているので、キビタキの雌か今年生まれた若い鳥の可能性が高そうです。キビタキは日本で繁殖し、秋になると南へ渡って冬を東南アジアで過ごします。その旅の途中で江古田の森公園に立ち寄ったのでしょう。この撮影を終った後には姿を消してしまい、見つけることはできませんでしたが、東京で鳥たちの渡りを実感できた貴重な経験となりました。



動きの速くて撮影は難しかったキビタキですが、双眼鏡で捉えるだけならば何度か観察のチャンスがあり、形を捉えることには成功。それを基にスケッチを作成しました。




キビタキの出会いに満足してしまいそうな気持ちを抑えて、池から離れて少し園内をゆっくり歩いてみることにしました。すると聞き慣れたコゲラの声がしました。


周囲を見渡しても、全然姿が確認できないので、やはり葉陰に潜んでいるのか?と思い始めたその時、コンコンと木を叩く音のすぐ後に「ギィー」という声がすぐそばで。ん?と思って、見上げると頭上1mほどの枝で木を突ついていました。









コゲラの出現で、いろいろなところに気を配らないと今日は鳥に出会えないと感じ、葉が生い茂っているところにも注目。さっそくかくれんぼのように見え隠れするシジュウカラも見つけました。




このシジュウカラを最後に、あまり鳥が出なくなりました。今日はこれで野鳥探索に一息いれて、江古田の森の様子をしっかり観ることにしました。

森の中を歩いて気づいたことは、鳥の好みそうな木の実がたくさんあること。

イイギリ
トウネズミモチ
カキノキ
ミズキ(クマミズキ)

見つけた樹種のうち、ミズキは今回発見したキビタキが大好物の実ですし、もう少し秋が深まればイイギリやトウネズミモチ、カキノキの実が熟して、たくさんのヒヨドリやツグミなどが来そうな予感がしました。

今回は過去最低の9種類しか確認はできませんでしたが、渡りの途中のキビタキとの新しい出会いがありました。来月はそろそろ冬鳥達と会えるでしょうか。



お勧め機種

まだ葉を多くつける木々の茂る公園では、機動性のよい双眼鏡のほうが便利。明るいレンズを搭載したED、EDⅡはよき相棒となりますが、公園では小型の双眼鏡のほうが気軽に持ち運びもできて便利なこともあります。






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